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がん幹細胞抑制にはリウマチ治療薬が有効との研究結果

がん幹細胞抑制とリウマチ治療薬

イギリスで1991年から行われた調査で、関節リウマチの患者は癌による死亡率が低いという調査結果が報告され、リウマチ患者とがんとの関係性について研究を重ねたところ、リウマチの治療薬ががん幹細胞を抑制しているのではないかという説が有力となりました。

関節リウマチの治療薬には、免疫に働きかけて病気の進行を抑える「抗リウマチ薬(DMARDs)」、炎症を抑える抗炎症剤、新しい治療薬として注目されている生物学的製剤の3つがあります。

国立がん研究センター東病院では、リウマチの治療薬を使った胃がん患者への臨床研究が行われており、研究には「スルファサラジン」という潰瘍性大腸炎の治療にも使われる抗炎症剤が使われています。

がん幹細胞の表面には、栄養を取り込む特殊なポンプがあり、栄養を取り込むことで外部からのストレスに対抗していることがわかっています。

リウマチの治療薬にはこのがん幹細胞の表面にある、栄養を取り込むポンプにふたをする効果があり、マウスを使った実験では、リウマチの治療薬をがん幹細胞に投与したところ、4週間でがん幹細胞がほとんど消えていたことがわかりました。

ちなみに、スルファサラジンは、20年以上も前から使われている安価な既存薬なので、新薬を開発するために年月を費やす必要がなく、既に臨床試験段階に入っています。
例えば慶応大学では、がん幹細胞に作用する成分を使った新薬候補を胃がん患者に使ったところ、数名の患者でがん幹細胞が減ったことを確認しました。
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